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希少車クラッシックカー純正ファブリック生地を
ヨーロッパ本国よりお取寄せ致します

ビンテージ生地専門会社と業務提携

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当店ではヨーロッパ車ビンテージ生地専門会社WEST Trading B.V.様と業務提携を行なっておりますので、 入手困難なファブリック生地やPVCレザーのお取り寄せが可能です。倉庫内には数万点のクラッシックカー生地や、 カーペット、アルカンターラ、PVCレザーが綺麗にストックされております。

SAMPLE 生地のサンプル紹介 生地のサンプル紹介

ご紹介するサンプルは全てお取り寄せが可能です。

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ベンツ01

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ベンツ02

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ベンツ03

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ベンツ04

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ランボルギーニ ミウラ 01

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ランボルギーニ ミウラ 02

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その他05

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ビンテージフロアカーペットも用意してます

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多彩なフロアカーペット素材が100種類以上ストック

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オープンカーの幌・裏生地のお取寄せも可能

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クルマの黎明期は前席が本革シートで後席が布シートだった!

クルマの黎明期は前席が本革シートで後席が布シートだった!

本革シートと言えば、クルマの高級装備品の代名詞と言われています。
布シートに比べて一段上の装備品としてオプション設定されており、標準装備とする車種は特に高級車と呼ばれステイタスの高いクルマとなっています。
しかし、クルマの歴史を振り返ると、常に本革シートが布シートの上に存在していたわけではありません。
事実、クルマが普及し始めた黎明期は本革シートよりも布シートの方が高級という時代が存在していたのです。
クルマが発明され、世に普及したのは1900年代初頭。当時のクルマのシートは、そのほとんどが本革張りでした。
これは、馬車をルーツに、その御者のシートを流用した結果と言えます。では、なぜ馬車のシートが本革であったかと言えば、理由は簡単、丈夫だったからです。乗員の乗り降りで、かなり擦られ、直射日光にさらされ、雨で濡れてしまう事もあります。そんな過酷な馬車の御者のシートを布で作ると、すぐに傷んでしまいます。その為、馬車の御者のシートは基本的に本革シートだったのです。そして黎明期のクルマは、そんな馬車の延長的な存在。つまり、クルマが登場したばかりの頃は、そのほとんどがルーフの無いオープントップモデルで、ルーフがあっても簡易な幌だった為、シートも当然の様に本革が採用されていたのです。 しかし、1910年代から1920年代のクルマには、ベロア等の生地が使用され始めました。それは主に高級車でした。この頃からルーフを持つ箱型ボディのモデルが登場し、このようなクルマはシートが雨に濡れる事を気にする必要が無くなったからです。また、前席は本革シートでありながら、後席に布シートを備えるクルマもありました。これは、後席に座る偉人用の席は布シートである事を意味します。つまり、本革シートよりも布シートの方が高級と考えられていたからです。よく考えてみれば、当時としては当然と言えます。本革シートは丈夫ですが、表面は硬く、夏は蒸れるし、冬は冷たかったのです。単に座るだけであれば、ソフトで手ざわりも滑らかな布シートの方が快適です。
つまり、耐久性よりも快適性を優先し、布シートの方が優れているという時代があったのです。
事実、1930年に当時のダイムラー・ベンツ社は世界最古の自動車メーカーとしての名に賭けて、7.7ℓスーパーチャージャー付きの超高級リムジンである「グロッサー・メルセデスシリーズ」を世に贈り出しました。昭和天皇の皇室御料車の770グロッサー・メルセデスがその最たる例です。
皇室御料車として、このグロッサー・メルセデスは1931年~1935年(昭和6年から10年)にかけて7台輸入。当時、東京青山北町にあった輸入元ラティエン商会から輸入されたのは、1932年型が3台と1935年型が4台の計7台。現在では1935年型の1台が、1972年以来メルセデス・ベンツミュージアムに展示されています。この経緯は当時のダイムラー・ベンツ社の熱心な懇請があり、遂に宮内庁側が折れて昭和天皇の御料車1台をシュツットガルトのメルセデス・ベンツミュージアムに寄贈することになったのです。
ボディカラーは言うまでもなくロイヤル・マルーンの溜色(宮内庁色)でトップとフェンダーが黒色に塗装。本来はスリーポインテッドスターの代わりに16花弁の菊の御紋が横向きに付けられていました。グリルセンターの御紋もメルセデス・ベンツのマスクに合わせて中央で折り曲げられて付いており、リアドア両側にも同じ菊の御紋が取り付けられていました。
しかし、メルセデス・ベンツミュージアムに寄贈された昭和天皇御料車の16花弁の菊の御紋は天皇家の御紋で門外不出なので、ラジエーターグリルにはスリーポインテッドスターが取り付けられ、リアドア両側の菊の御紋はレプリカとなっています。 特筆は運転席が本革シートであるのに対し、後席の玉座や内装が宮内省支給の高級な西陣織布シートで仕上げられています。また、後席には侍従席も備えています。後席から運転席に方向や速度、停止等を指示する元祖リモコン的な運転指示器も備えています。
そして、1963年のフランクフルトモーターショーで当時のダイムラー・ベンツ社は先述の「グロッサー・メルセデス」の再来といわれた大型高級リムジン600/W100を発表しました。ボディの種類も全長が標準モデルの5540mmから6240mmのプルマン・リムジンまで特注生産され、4ドア・5ドア・6ドアでも、また室内は好みのレイアウトによって可能。つまり、オーナーの注文に応じてシートは布・ベロア・本革に仕上げられ補助席、キャビネット付きパティション、自動車電話、TV、スライディングルーフ等も装備されました。特に愛用した著名なセレブはローマ法王パウル6世でリアドアには特別製作の紋章入りで、シートはローマ法王パウル6世の座る神聖なベロアのひじ掛け座席となっています。
また、1960年代の天皇御料車プリンスロイヤルも後席はウール織物の布シートでした。前席は本革シートなのに、後席は敢えて布シートにしています。
以上の如く、本革シートよりも布シートの方が、格別に上にあるという証明の最たる例と言えます。加えて、最新のセンチュリーのシートはウールファブリック(布)使用になっています。センチュリー・クラスの場合は、費用を節約して布シートにするわけでなく、敢えて布シートを採用しています。

本革シート=高級品となった背景

本革シート=高級品となった背景

それは、クルマのシートの歴史を振り返れば、よく理解できます。

クルマが発明され普及した1900年代前半は、ほとんどのクルマがシートに本革を採用。

そして、第2次大戦後の1950年代以降、日本でも自動車生産が開始しました。

ここで、日本車はどうしたかと言えば、人工皮革の塩化ビニールを採用。

これが、当時の日本としては最も安価で現実的な選択肢だったのです。

一方、布シートもあり、こちらはウールを利用。当然、塩化ビニールよりも布シートの方がコストは高いです。

しかし、塩化ビニール&ウールの時代は短命でした。

 

その後、化学繊維の時代が到来。化学繊維とはナイロンやポリエステル等を使った繊維で第2次大戦後に普及した技術。

この技術が1960年頃にクルマのシート繊維として利用され、クルマのシートを決定的に変えたのです。

つまり、化学繊維の登場により布シートの耐久性は飛躍的に向上し、それまでのウールに比べて化学繊維だとコストもかからなかったからです。

こうして布シートの可能性を格段と高めました。

その結果、1970年代から1980年代にかけて布シートは、大いに普及しました。さらに、ベロア、ジャージ、ツイード等、さまざまなバリエーションが誕生。

 

一方、本革シートは耐久性という実用面ではなく、ステイタス性が強調される事になりました。
ちなみに、日本で乗用車が庶民の手に渡る様になったのは化学繊維のシートが登場した後です。

つまり、日本人は本革シートが耐久性で布シートを勝るところを見る機会がなかったと言えます。
そして、輸入される欧米の高級車の多くは、伝統のある本革シートが装備していました。

結果、誰もが本革シートは布シートよりも高級品であるという認識が定着したと言えます。

この様な歴史的な背景が、現在の我々日本人に本革シート=高級品であるという見方を定着させたと言えます。

現在のシート生地の特徴や長所と短所

現在のシート生地の特徴や長所と短所

【ファブリックシート(布シート)】
ファブリックシートとは、布を素材にしたシートの事です。多くのクルマに採用されているので、馴染み深いのはこの種類かもしれません。ファブリックシートには「織物ジャージ」、「トリコット」、「モケット」といった種類があります。
「織物ジャージ」は、経糸と横糸を交互に合わせる平織で作られた繊維素材で、さらっとした手触りが特徴。名前の通り、衣類のジャージに似たような雰囲気を持っています。ファブリックシートの中では比較的汚れが付きにくい点が長所で、大きな短所はないと言えます。
「トリコット」は織り目が細かく、なめらかでつるつるとした手触りが特徴の素材です。通気性も良いですが、つるつるしているので運転時に体勢がずれて運転姿勢が落ち着かない短所があります。
「モケット」はループ状の糸で織り出したパイルの柔らかい手触りと高いグリップを持つ素材で、ファブリックの中では高級感と耐久性を持つ点が長所。短所としては生産に手間が掛かる為、ファブリックの中ではコストが高くなりますが、それでも根強いファンが多いです。
ファブリックシートの一番のメリットは扱い易い事です。少々乱暴に扱っても擦れに強く劣化しなく、ほとんど傷付くことが無く本革シートに比べて耐久性も高いです。本革シートに比べて安価である事も大きな魅力。その上、長時間の使用にも耐え、編み目のおかげで通気性にも優れています。特筆は織り込んだ布生地なので様々な色柄が作れ、最近流行のチェック柄はその最たる例です。加えて、女性が好むようなカラフルな色柄があるのはファブリックシートならでは特徴で、ファブリックシートでも高級感を感じさせるデザインのものもあります。今、クラシックカーブームで、当時標準装備の布シートが重宝されています。特に、個性のあるチェック柄シートに人気があります。その主な理由のひとつとして、伝説の1952年メルセデス・ベンツ300SLガルウィングクーペ(プロトタイプ)のシートが、布の鮮やかなブルーチェック柄シートであったからです。近年では手元にあるメルセデス・ベンツのカタログを見ると、1986年560SL/R107や1987年190E2.3-16/
W201のシートセンター部やドア内張が布のブルーのチェック柄が標準装備となっています。加えて、W124の最強モデルである500Eも布のブルーのチェック柄が特徴。他、1983年300D 230E 280E 280CE/
W123は布シートが標準装備、1986年のSクラス/W126カタログに目を転じると300SEでは布シートが標準装備、420SEL 560SEL 560SECはベロアシートが標準装備となっています。特に、560SECのベロアはシートセンター部が横縞模様の特徴あるデザインです。 ファブリックシートのデメリットを挙げるとすれば、汚れに弱いという事です。例えば、ジュースをこぼした場合、優れた通気性を生む網目の間に入り込んでしまうとシミになり汚れが取れなくなってしまうからです。細かい砂やホコリにも弱く、一度深く入り込んでしまうと掃除機で吸った位ではなかなか取り出すことが困難で、乗り降りすると埃が舞い易いです。 まとめ;様々な色柄やデザインがあって比較的丈夫な事が特徴です。しかし、一番困るのは汚れたら掃除が難しい事です。汚れたら専門家に任せるか、自分で汚れない様に予めカバーをかける等の対策が重要です。

【人工皮革(エクセーヌ&アルカンターラ)】
本革シートは天然素材を丁寧に加工する必要があるので、どうしても高価になります。その欠点を補うのは人工皮革と呼ばれる素材で、アルカンターラがお馴染みです。人工だけあって化学的に作られた生地となって、アルカンターラは東レが開発した事でも有名。バックスキンの様な触り心地のものが多く、耐久性も高く、比較的安価に抑えることができるメリットがあります。
ちなみに、昭和の時代は乗用車でもビニールシートのクルマが珍しくなく、ビニールシートは下級グレードに使用される事が多かったです。現在ではビニールシートを使っているクルマを見るのは旧軽トラック位でしょうか。しかし、ビニールシートは「汚れてもタオルで拭けば良い」という手入れのし易さが大きなメリットでした。そして、1970年代のビニールレザーが定着。ビニールなのにレザーとは矛盾していますが、最近までタクシーに使用され、トラック等の商用車の一部ではまだ使われています。ビニールを加工して少しだけ本革の様な風合いを出しているのが特徴。当時では布とは違う新しい感じがして乗用車にも広く使用されました。複雑なシボや柄を入れて高級感を出していましたが、ビニールなので汗が染みこまず、夏はベトつき、冬は座り始めが冷たかったです。
さて、かって存在したメルセデス・ベンツの「MB-TEX」とは?メルセデス・ベンツが1960年代初頭から独自に開発した合成皮革を製造し、MB-TEXという呼称でシートやインテリアに長年の標準的な素材としてオプションで設定していました。それは革によく似ており、本革と間違われる事がよくありましたが、はるかに耐久性があり、ひび割れや摩耗が無く持続性も良かったです。メルセデス・ベンツではMB-TEXをフェイクとも本革とも呼んでいなく、本革に見えて本革でもなく、しかも耐久性抜群という、クルマのインテリアとしてはちょっと例を見ない質感を持った素材だったわけです。ドイツ本国ではタクシー用車両として多数使用されました。メルセデス・ベンツは信頼性が高く、同時に高品質なクルマでもあるのでタクシー用インテリアでも手を抜くことはありません。そこで採用したのがこのMB-TEXなのです。日本では代表的なモデルとして、メルセデス・ベンツのEクラス/W124(1984~1996年)、190E/W201(1982~1993年)までのシートやインテリアにこのMB-TEXが布より数万高でオプション設定。従って、お客様がこのMB-TEXを選択されるとメーカーへの受注生産となり数カ月待ちは当然でした。そこまで待ってまで乗る理由は明白です。このMB-TEXは合成皮革ですから、タクシーで酷使されても強い耐久性も持ち合わせ、手入れも非常に楽(ビニールクリーナー)。ペットボトルの水等がこぼれても、水拭き一発でサッと綺麗に、またペットの毛の掃除も楽です。特に、サーフィン等マリーンスポーツを趣味にしているW124ステーションワゴンオーナーには、海から上がってすぐ濡れたままでも気にせず乗り込めるので重宝されていました。本革シートと比較すると、多少厚くゴワゴワ感がありましたが、とにかく丈夫だったので、リプレイス需要が少なくW124(1984~1996年)当たりで早くも生産終了となりました。当時のW124のMB-TEXカラーサンプルは10色用意されオプションで選択可能でした。
最近のメルセデス・ベンツのインテリアにはレザーARTICO(登録商標)と呼ばれる人工皮革を用いています。これも言わなければわからないだけの質感を持ち合わせている素材です。
本革というのは天然素材で本来限りのあるものです。そう考えると、量産品であるクルマのシートには布や人工皮革のほうが適しているかもしれません。

著者:ヤナセOB 妻谷裕二